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田口 光正; 小嶋 拓治
Radiation Research, 163(4), p.455 - 461, 2005/04
被引用回数:25 パーセンタイル:57.33(Biology)OHラジカルとの反応速度定数の大きなフェノールを選び、その水溶液に220MeV C及び350MeV Neイオンを照射し、生成物の定性・定量分析を行った。3種類の構造異性体を持つ酸化反応生成物(ハイドロキノン,レソルシノール及びカテコール)について、その生成収量を、水中で進行方向に連続的に減弱するイオンエネルギーの関数として微分解析し、各生成物の収率(微分G値)を求めた。トラック内に生成した水素原子や水和電子とフェノールとの反応ではこれらの反応生成物は生じないので、生成物収率との比例関係からOHラジカルの微分G値を求めた。この結果、微分G値は、水中における重イオンの比エネルギーが減少するに伴い小さくなることがわかった。また、同じ比エネルギーでは原子番号が大きくなるにつれて、小さくなることがわかった。
田口 光正; 小嶋 拓治
JAERI-Review 2004-025, TIARA Annual Report 2003, p.139 - 140, 2004/11
重イオンにより水溶液中に誘起される化学反応は、おもに水から生成したOHラジカルの量や空間分布により支配される。本研究では、OHラジカルとの反応速度定数の大きなフェノールを選び、その水溶液に220MeV Cイオンを照射し、生成物の定性・定量分析を行った。3種類の酸化反応生成物(ハイドロキノン,レソルシノール及びカテコール)について、その生成収量を、水中の進行方向に連続的に減弱するイオンエネルギーの関数として微分解析し、各生成物の収率(微分G値)を求めた。トラック内に生成した水素原子や水和電子とフェノールとの反応ではこれら反応生成物は生じない。ここで、トラック内再結合しなかったOHラジカルが線と同じ反応機構で酸化反応に寄与すると仮定し、OHラジカルの微分G値を求めた。微分G値は、水中における重イオンの比エネルギーが減少するに伴い小さくなることがわかった。さらに、フェノール濃度を0.5から100mMと変えることにより、すなわち平均反応時間を1.5から300nsと変えた場合、微分G値は、イオン照射直後では比較的大きな値を示したが、時間経過に伴い小さくなった。これは、線や電子線などでも観測される一般的な現象である、照射により生成した水素原子や水和電子との反応によりOHラジカルが消滅したと考えられる。
田口 光正; 小嶋 拓治
JAERI-Review 2003-033, TIARA Annual Report 2002, p.141 - 142, 2003/11
酸素飽和フェノール水溶液への重イオン照射の結果、OHラジカルが付加置換反応した3種類の構造異性体を持つ生成物(ハイドロキノン,レソルシノール及びカテコール)がd同定された。これらの生成収率は入射エネルギーに対して一次以上の増加率であった。この生成収量を、水中で進行方向に連続的に減弱するイオンエネルギーの関数として微分解析して得られた各生成物の収率(微分G値)は、線照射により得られるG値の1/2から1/10の範囲であった。線照射の場合では、これら生成物の総G値は、OHラジカルの生成G値の90%以上であることから、イオン照射では高密度に生成したラジカルの再結合反応が酸化反応よりも速く起こるため微分G値が小さくなると考えられる。また、C及びNeイオンともにOHラジカルの微分G値は比エネルギーが減少するに伴い小さくなることがわかった。さらに、同一比エネルギーでは、微分G値はCイオンの方が大きかった。このように微分G値は核種と比エネルギーに依存することがわかった。なお、Cイオンに関しては、LaVerneが低エネルギーCイオンで求めたG値とよく整合した。
田口 光正; 早野 一樹*; Xu, Y.; 森山 正洋*; 小林 泰彦; 平塚 浩士*; 大野 新一*
Radiation Physics and Chemistry, 60(4-5), p.263 - 268, 2001/03
被引用回数:16 パーセンタイル:73.13(Chemistry, Physical)フェニルアラニン水溶液へNeイオン照射を行い、OHラジカルとフェニルアラニンとの反応によって生成する3種類のチロシンをHPLCによって定量分析した。イオンが止まるまでの全チロシン生成量と、入射エネルギーとの関係から微分G値(イオンのエネルギーとともに連続的に変化するG値)が求められた。微分G値は300~500eV/nmのLETでは線よりも大きな値を示すが、LETの増加に伴いその値が減少することがわかった。